ギターは Andreas Cuntz Guitarsです。13フレットジョイントのクラシックギターのような形をしたカスタムギターです。彼はパームのボディヒットをするのでギターの裏に丈夫にするパッチを当てています。
ピックアップは3つ。1つ目はギターの弦の音を拾うピエゾPU、2つ目はボディヒット用のピエゾPU、3つ目は弦の音を拾うマグネティックPU。ピエゾPUはShatten Design製、マグネティックPUはSeymour DuncanのMag Micです。
3つのPUは5ピンのXLR端子で出力され、特注のEvidenceケーブルを通って3つのPhone端子に分かれます。
3つの信号はペダルボードへ送られます。ペダルボードはPedaltrain 2 SCを使用しています。ペダルボードには背面にも機材収納が可能のため、ここにはパワーサプライが組み込まれています。パワーサプライはCioks Big John LinkとCioks Schizophrenic Linkを使用しています。
ペダルボード側面に取り付けてあるレコーディング用機材を通り、それぞれエフェクト処理された後ミキサーへと送られます。
1つ目のギターの弦の音を拾うピエゾPUは、直接ミキサーのピエゾサウンドチャンネルへ送られます。
主に高音の音作りの役割があります。
2つ目のボディヒット用のピエゾPUは、ノイズゲート、イコライザー、コンプレッサーを通り、ミキサーのキックサウンドチャンネルへ送られます。
イコライザーは62Hz付近をブーストしてバスドラムのような音作りをしています。
ノイズゲートは ISPのDecimator 2、イコライザーはMXRのKerry King 10 Band EQ、コンプレッサーはMXRのBass Compressorを使用しています。
3つ目の弦の音を拾うマグネティックPUは、コンプレッサーからバッファスプリッターを通り2つの信号に分けられます。
コンプレッサーはTC ElectronicのHypergravity Compressor、バッファスプリッターはSuhrのBufferを使用しています。
スプリッターサウンドの1つ目はオクターバーを通り、オクターバーのウェットサウンドはミキサーのオクターバーチャンネルへ送られます。ドライサウンドはオーバードライブを通りミキサーのドライブチャンネルへ送られます。
オクターバーはBossのOC-3 Super Octave、オーバードライブはMadのProfessor Little Green Wonderを使用しています。
スプリッターサウンドの2つめはピッチシフターからイコライザーを通り、2つの信号に分けられます。
イコライザーサウンドの1つ目はチューナーを通りミキサーのメインサウンドチャンネルへ送られます。
イコライザーサウンドの2つ目はディレイを通り、ミキサーのディレイチャンネルへ送られます。
ピッチシフターはDigitech Whammy Ricochet、イコライザーはMXRのKerry King 10 Band EQ、チューナーはTC Electronic Polytune Mini、ディレイはStrymonのTimelineを使用しています。
ミキサーで使用されているチャンネルは以上の合計で6チャンネルになります。
使用しているミキサーはALLEN&HEATH ZED-10FXで、各チャンネルに薄くリバーブがかかっています。
ボードのシステムを見ると、いくつかポイントが見えてきます。
①まずはボディヒット音にコンプレッサーをかけている点です。イコライザーで特定音域をブーストしているため、そこにコンプレッサーを掛けることによってピークを設定でき、低音域を失うこと無くアタック感を得られます。
②並列接続の使い方です。
MXRのKerry King 10 Band EQは1in2outの仕様となっているのでスプリッターの役割を果たしています。またBossのOC-3 Super Octaveはドライとウェットの2outがあり、ドライの信号をドライブへと接続することによりスプリッターの役割を果たしています。
③チューナーの接続位置です。
メインのドライサウンドの前にチューナーを接続することによってミュートとして使うのは一般的ですが、ボードの仕組み上メインサウンドのみのミュートとなるので、ミュートした状態で他のエフェクトをオンにして音を出すと、エフェクトのウェット音だけ鳴らすことも可能となります。(使いみちはわかりませんが動画のデモンストレーションでは面白い音が聞けますね。)
④ピッチシフターの接続位置です。
ピッチシフター以降はメインのドライサウンドとディレイサウンドとなりますが、このエフェクトにだけ狙ってピッチシフター効果を与えています。
ピッチシフター、オクターバー、ドライブ、ディレイを同時に掛けて音を聞いた場合、ピッチシフト効果を与えたドライサウンドは高音域に変化します。まだディレイも高音に変化してきらびやかなサウンドに変化します。一方オクターバーは低音域を維持したままとなり、ドライブも中音域を維持したままとなります。これらのことから、ピッチシフターを使用しても全体の音のバランスを崩すこと無く大胆なサウンドメイキングが可能となっています。
以前までのボードと比べて、コンプの数が変わったのと、音域をもっと意識して音作りしているというのがポイントだと思いますね。参考になったでしょうか?
ではでは!